仕事。
この世で一番幸福である職業についている人は何か。
そう聞かれて。
ラッセルはこう答えている。
世の中でもっとも幸福な職業についている人間を上げるとするなら
其れは科学者である。
もし、ここに1枚の絵を差し出されたとしよう。
其れがカノ有名なミケランジェロの絵画だとして
其れを理解できない人間は其の絵を下手だと決め付けてしまう。
どんなに上手い絵があったとしても
どんなに素晴らしい詩があったとしても
其れを見るものが理解できなければ
其れを下手だと決め付けてしまう。
だけれども此処にアインシュタインの書いた相対性理論の論文があったら如何か。
彼らは其れが理解できなくとも
其れは自分に教養が無いからだと云い
アインシュタインを尊敬する。
人間が生きていく中で尊敬ということは
幸福になるための一つのヴォルテージである。
其の点を考えると芸術家なんて云う商売は不幸な人生を歩む危険性が高い。
また、弁護士や医者などという職業も他者から尊敬を受け取るが
其の尊敬を維持するためには相当な苦労を強いられる。
其の点科学者は最終的に成功さえすれば何の問題も無い。