永劫に続くわけもないことを
永遠のように錯覚している
日々衰え 喪われていく自分に対して
永久を信じている
消失の無自覚
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理解出来ないことを
許容する程の包容力はないけれども
理解出来ないけれども享受するものもある
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難しいことを
むずかしいとは表現せず
むつかしいと表現する貴女は優しい
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我々は謎に満ちた世界に居る。
周りに見えるものを理解したいと我々は望み
此う尋ねる。
「宇宙の本性は何か」
「宇宙に於ける我々の地位は何か」
「宇宙と我々は何処から来たのか」
「何故宇宙は此の様に成っているのか」
此の様な疑問に答える為に
我々は何等かの”世界像”を採用する。
平らな地球を支えている無限に積み重なった亀の塔は其の様な世界像であり
同じ様に超弦理論も一つの世界像である。
どちらも宇宙の理論であり
只、後者は前者に比べて遥かに数学的で精密である丈だ。
どちらにも観測上の証拠は欠けている。
地球を背中に乗せている巨大な亀を見た者は誰も居ない。
然し超弦を見た者だって居ないのである。
にも拘らず亀説が良い科学理論に成り損ねたのは
此の説が人間は世界の縁から落ちる事が有り得ると予測した為だった。
此れが経験と一致する事は未だ確かめられていない。
バミューダ三角地帯で失踪したと見做されている人達の行方が
此れで説明出来ると判明すれば話は別だが!
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空間と時間が境界の無い閉じた面を形成しているかも知れないと云う考えは
宇宙の出来事に対する神の役割についても
深刻な示唆を孕んでいる。
科学理論が出来事の記述に成功するにつれて
神は宇宙が一組の法則に従って進化するのを許し
此の法則を破って宇宙に介入する事はしないと大部分の人達は信じるようになった。
然し、法則は宇宙が始まった時には
どんな具合だったかを教えて呉れない。
時計の発条を巻きどう動かし始めるかを決めるのは
依然、神の任務かも知れない。
宇宙に始まりがある限り
宇宙には創造主が居ると想定する事が出来る。
だが若し、宇宙が本当に全く自己完結的であり
境界や縁を持たないとすれば
始まりも終わりもない事になる。
宇宙は只単に存在するものである。
だとすると、創造主の出番は何処にあるのだろう。
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俺もずっと走っている。
其う感じた。
何時からか解からないが、未だ走っている。
行き先に着く迄は走るのを止められない。
其うして、行き先には何時着くのか
其れが何処なのかは解からない。
何で俺は走り始めて仕舞ったんだろう。
脚力も持久力も、根性も無いのに。
俺はもう止まりたかった。
だが止まる方法が判らない。
止まるのが恐い気がしたが
此の儘走り続けて何処かに着いて仕舞うのも恐ろしかった。
誰かが無理やり止めるのを俺は待っていたのだと思う。
待つ。
走っているのに待ってもいる。
待つ待つ待つ。
苛々して俺は叫びたくなる。
人生は百々の詰り其れ丈で出来ているんじゃないか
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感情と云うのは抑受動的なものだ。
怒りたいと思って怒ったり
笑いたいと思って笑ったりする事は
無いとは言えないが、普通ではない。
普通は色々な状況が重なりあった結果意図するか否かに関わらず
怒りが込み上げて来たり
喜びが込み上げて来たりする。
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非常識な事だと必ず非難される。
其れは、一線を越えて仕舞う不届きな人間達の所為なのだ。
自制の利かない其の種の連中が世の中には存在する。
彼等は兎に角目立つ。
だが、彼らの異常性の本質とは
他人に対する熱心な興味にあるのではなく
相手の不快さを誘発する行動に及んで仕舞う自制の無さに象徴される。
自制が出来ない人間は、ブレーキの無い自動車と同じだ。
何を遣っても
どんなタイプの性格であっても
社会では危険な存在と成り得る
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私は何より先に貴方と同じ様に人間であると信じています。
寧ろ人間に成ろうとしている所だと言った方が良いのかも知れません。
世間の多くの人達は貴方の方が正しいとするでしょうし
本にも其の様な事が書いてありましょう。
其れは私も良く存じております。
でも、世間の言う事や本に書いてある事では
私はもう満足していられません。
私は自分独りでよく考えてみて
物事を判然と弁えたいと思います
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駅のプラットホームに立って
やや遠い風景を眺め
其れから2寸3寸腰を低くしてもう一度眺めてみると
其の前方の同じ風景が丸で全然変わって見得る。
2,3寸背丈が高いか低いかに依っても其れ丈人生観、世界観が違ってくるのだ。
況んや君。
男体と女体では其の酷い差は話にならん。
別の世界に住んでいるのだ。
僕達には青く見得る物が女には赤く見得ているのかも知れん。
其うして赤い色の事を青い色だと称するモノだと思い込んで澄まして其の様に言っているので
僕達男類は女類と理解し合ったと安易に脂下がったり等しているのだが
とんでもない独り合点かも知れないぜ。
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世の中には明らかにしない方が良い事
其の儘にして置いた方が仕合せな事が沢山ある。
秋の山を歩いた事があるだろうか。
綺麗に色づいた落ち葉が
足元に敷かれた絨毯見たいに私達の行く先々を飾っている。
其の落ち葉の一枚一枚をひっぺ返して其の裏側を覗いた所で何が得られるか?
綺麗なモノに理由がない様に
私達を魅了する全ての存在は理屈がない。
何故魅力があるのか。
其の理由を考えてはならない。
考えた瞬間に其れは逃げて仕舞う。
唯、其の美しさを感じる事が出来れば其れで良い。
若しも、理由がなければ魅力が味わえないと主張する人が居て
其れこそが人間の性であると信じているとしたら
多分、唯一オラウータンよりも劣った感性といえるだろう。
理屈がないと価値が認められない程
私達人間は愚かではない筈と私は信じたい
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どんなに興味深い会議でも終わると嬉しい。
其れと同じ様に
どんなに苦しい恋愛も終わると寂しくなる。