渇望。

僕は毎日死を渇望して喘いでいるのに
屹度、「貴方は後1ヶ月後に死にます。」と言われれば
生を渇望するのだろう。
生の上に成り立つ死の渇望
屹度そうなのかもしれない。
死にたいと願う反面其れと同じ様に生きたいと願っているのかもしれない。
死んで仕舞うと言う事はとっても空しい事だけれども
生きると云うのはとっても惨めな事なのだ。
ほら、僕はこんなにも生を謳歌している。
其れでも其の事実の上に胡坐を掻いて死を望むのだ。
此れは愚かな事なのだろう。
でも、死んで仕舞いたいのだ。
いいや。
僕を縛り付けている此の柵という鎖を断ち切りたいのだ。
だから、僕は生きたいのだ。
だけれど、其の鎖は容易には解かれない。
若し、解かれたとしても
直ぐに再生を始めるだろう。
或る物は、現実世界に於いて後悔と言う
新しい鎖になって大地に根を張るだろう。
或る物は、此れ以上の不安となって
新しい鎖と成るだろう。
此の鎖から完全に解かれる事はない
自分で其の締付を和らげようと努力する他
僕が生を謳歌する為に出来る事は無い。