空落下物渇望。

僕が日常生活に於いて空を仰ぐのは
別段、空が好きな訳ではなく
只単に、死ぬ事に足りる丈の落下物が
僕の頭上に来ないだろうかと云う
限り無く少ない可能性を渇望しているからに過ぎず
其れ以外の何ものでもない。
其れは、宝籤の一等良い番号を当選させる事よりも
困難を極め
限り無く少ない可能性の中での空想かも知れないけれど
僕にとっては宝籤の一等を当てる事よりも嬉しい事実で
僕にとっての最高の贈り物だと思う。
此の事実が存在する丈で
僕は普遍的神の存在を容易く受け入れる事が出来る。
何とも安っぽい宗教と揶揄されるかも知れないが
僕は此の程度の事でしか普遍的神の存在を認める事は出来ないだろう。
自分に死が訪れる最大限の可能性に直面した時
僕は、其の死を容易く受け入れ
感謝の意を示した。
然し、現実的に僕は其の死を受け入れる事が出来なかったし
其の死を実感する事も出来なかった。
高濃度のアルコールが僕の脳内を汚染して
僕は多量の種を撒き散らした丈の
醜い現実を残した儘
今も此処で死を2次元的に望み続ける。
信じる死が数時間後に三次元的展開をする事をどんな事実よりも望む。