丸で花火の様に夜空に打ち上げられた夏の花火。

思い出す事が出来ないと云う苦痛と
忘れて仕舞うと云う至福の両端に存在する構造は
案外同じ機構を有していて
覚えが無いと云う罪を担って
今日も其処に存在を否定される存在には
感情的以外にも名前を与える訳には行かない
望み続ける過去は
所有を引き摺り
今では当時の面影すら残していないのに
当時を懐かしむ行為に専念している
喪われた秩序の破片に貪り憑く
卑しい感情を所有すると云うのが
一つの可能性を示唆している