一つの眼を使って現実が如何にかなる訳はない。

君が「おいで」と気の遠くなる程に
気の遠くなる幸福を纏った声で呼ぶ
だから其れは真実ではないのだろう
差し伸べられた手が招き入れる未來には
自分が存在出来ない事が明らか
何よりも望んだ幸福が
自分には余りにも不釣合いで有る事を承知している
其れが手に入らない事を前提として望んだ幸福
其れなのに目の前に差し出されれば
混乱を来たして自分を疵付けるしかない