出遭う事に意味等存在しなかった筈なのに。

理解をして欲しいと願っている訳では決して無い
理解なんて恐れている
列車を待っている
其んな駅のホームで誰かに背中を押されはしないかと
先頭に立っている人間が居て
降り頻る雨粒を見て
此れが鉛玉ならばと恋焦がれたり
空を見上げて滑空している旅客機から
ボルトが落ちて来ないか等考えたり
其んな事ばかり考え
其うしなければ生きる事が出来ない人間が居るなんて
理解をしようと試みる事もしないだろう
しなくて構わない
理解をして貰おうとは努々思っても居ない
唯侵食しないで欲しい丈
議論をする心算も毛頭存在しない
唯放って置いて欲しいと切に願っている丈
其んな事を思っても
生きろと強要するのが世の中なのだから
其れは人を殺す事と同じ位に理不尽だ
詰まり生きる事と死ぬ事は差し引き零と云う事か