力学と未來。

力学は、何故こんな特殊な条件で問題を解かなくてはならないのかと
常々不思議に思っていた事の理由は
実に単純だった
特殊な条件でないと
方程式が解けないのだ
其れでは極一般的な実際の問題を如何やって解決しているのだろう
人間の考えた法則なんて
どれも
極めて特殊で理想的な条件の下でしか成立しない
其れ等の法則は、実際の問題を解決するのではなく
問題の性質を見通すものでしかない
どちらが北なのかを教えて呉れる羅針盤と同じで
目的地に真っ直ぐ連れて行って呉れる訳ではないのだ
こんな幼稚な知識で
よく人類はビルを建て
橋を造り
海に潜り
宇宙に飛び出したものである
考えてみれば、全てが一か八かの大勝負ではなかったか
羅針盤だけで大洋を渡った様に
計算が出来ている様で
実は遣って見なければ解からない
命懸けの冒険だったのではないだろうか
学問はもっと、ずっと進んでいるものだと思っていたのに
案外、其の先に道は無いのかも知れない