背反と選択。

自分は慎重に自分の存在を把握していた筈なのに
自分は何処で間違いを犯したのだろうか
自分は何処で選択肢を取り違えたのだろうか
自分が存在する前に世の中の仕組みを教えて呉れれば
自分は此処に存在する事は無かった筈だ
抑は産れたこと自体が間違いだったと云う事は納得しているし
其れに対して理解も知ている
然し其の他に自分が此処近年に犯した過ちは一体何だったのだろうか
其んなに自分は後ろ指を刺される様な事をしただろうか
誰かの人生に干渉等したくはないし
唯 其処に存在し何かの行動をして
其れが労働と評価されて
其れに見合わない金額を貰い
唯 毎晩本を読んで
休日には図書館に行って
偶に落語を聞きに行ったりする丈の人生で
自分は十二分に満足している筈だったのに
最も其れに満足はしないだろうけれども
満足を送れる人生なんて言うのは
抑 自分では選択肢無かった筈だ
其れが間違いだとも云うのだろうか
自分の存在は其んなにも落ち毀れていたのだろうか