自分の眼の前に出現した偶然が刹那的に自分の思考を奪った
自分が選択する事が出来なかった未來は色褪せる事なく
時を追う毎に鮮明に為って逝く
此の未來が臨界点を超えて
減少へと転じるのを凝ッと耐えるしかない
然し 自分は其の臨界点を超えぬ様にと
自分の経験を偽装する事を試みる
足跡を辿ってみる
廻り回って自分は同じ所に立ち尽くしている
其うして選び取る事の出来なかった未來を
もう一度 鮮明に想い出してみる
何度も同じ回答に辿り着く事を期待する