自分が思春期の頃に味わった様な暗く澱んだ
グラグラとした非常に高い粘度を持った鉛の様な絶望は
総てが保証された中での不自由を叫び憤る
何とも生温く心地好い絶望だったと
其の後何年もした後に其の様に思い返してみる
彼の頃に此の世の終わりの様に感じていた絶望は
今でも変わらずに此処に存在するが
其れ以上の絶望もあるのだと体感してみると
矢張り心地好い絶望だったのである