理想。

偶にはこんな音楽を聴くのも良いかも知れない。
決して人の心を弾き付ける様な歌詞じゃないし
其れ程迄に奇麗な歌声と言うのも如何なものかと思うが
彼女の捻りの無い只純粋なだけの音楽には
目を見張るものが在る。
僕の好きな某グループの歌詞は
何となく哲学的で着飾っている唄だ。
其れ故にあまり大衆には好まれる傾向に無いのだが。
純粋に思った事を飾らないで伝えると云う事は
着飾る事よりも遥かに難しい。
有りの儘の自分を見られるのだから。
だけれど今こうして僕の耳を通して
脳へと流れ込んでいる
単純な単語の羅列は僕をイツモとは
少しばかり違った感覚へと誘って(イザナッテ)行く。
僕もコンナ風に素直に慣れたらいいのになぁ。
理想に近づく事は並大抵の事ではない。
そもそも、自分の理想を手に入れた人間
乃至、生き物は果たしてこの世に存在するのだろうか?
夢を追い、そして叶える事は
其れ程難しい事ではない。
だけれど、其れとは違い理想を現実にするのは
不可能に近い事だ。
そんな事を考えながら
僕は彼女の世界に酔わされていた。