精神及び肉体に関する死後理論。③

さて、話を戻そう。
えっと、何の話だっけ?
あぁ、そうだ。
意識だけが別の世界へ行くって話だったね。
あの世界へ意識が行くと
其処は僕が本当の主人公で何でも僕の思い通りに成るんだ。
其れはあの世界が僕の意識の中で出来た世界だから。
そして、いつの間にか此れは夢だって
僕は気付く。
でも、気付く前僕は其の世界がこの世界ではないって事に
気付かないんだ。
解るかな?
あの世界が其の世界と違うって気付くまで
僕にはあの世界がこの世界なんだ。
だから、もし僕があの世界に行っている間に
死んでしまったとしたら
僕はあの世界の住人のまま死んでしまうんだ。
意識がね。
勿論僕はあの世界がこの世界でないと
理解する前に死んだらの話だよ。
そして、其のとき僕があの世界で年齢が
20歳かもしれない
もしくは80歳のおじいさんかもしれない。
はたまた40歳かも知れない。
其れに僕はあの世界で腰痛で苦しんでいるかもしれないし
手術中かもしれない
もしかしたら走っているかもしれない。
さらには、僕はあの世界で医者かもしれないし
子供が居る父親という職業かもしれない
僕は教師で生徒を叱っている最中かもしれないし
あの世界で僕の掛け替えのない人として
登場してくれている人に結婚を提案している最中かもしれない
仮に僕が死んだ其の時
僕の意識はあの世界に行っていて
たまたまその時の僕の肉体・環境・僕のステータスが
こんな感じだったとしよう。
【 名前】不明。
【 年齢】凡そ65歳。
【 性別】おそらく男。
【 体型】不明。
【 職業】多分教師だろう。
【結婚暦】未婚の様な気がする。
【 現状】目の前にいる生徒らしき人間と思われる
     モノに対してどうやら怒りという感情らしき
     得体の知れないものを如何やらぶつけているらしいが
     詳細な原因は不明。
この文章で凡そとか約とか曖昧な表現を用いたのは
別にウケを狙っている訳ではなく
只、僕の居るあの世界ではこの現状がハッキリと認識されていない。
もしかしたらこんな感じだよな?
という感じである。
みんなも夢をみてあの世界に行っている時は
こんな感じなんじゃないかな?
僕はいつもこんな感じなんだ。
なぜなら、あの世界で僕は
僕という存在を18年間未だに
認識できないでいるからだ