なんかねぇ。

雲が淀む。
私の心を反射させる様。
笑い方は忘れました。
そんなもの必要ないでしょう。
ごめんなさい。
貴方は感情と云うものの素晴らしさを
私に教えてくれたのに
貴方を嘲笑うかのような酷い仕打ち。
酷です。
空に光が差す頃に私はきっと貴方のもとを離れるでしょう。
きっと今、貴方が私の手を引いて
此処から抜け出させて下さっても
其の先にあるのは未来では無い事は
私には承知の上なのです。
忘れは致しません。
貴方の其の壊れそうな肩を。
貴方の其の美しい心を。
季節が変わるのは所詮決まりきった事。
誰にも覆す事は無理なのです。
國の民、皆が其の事実に忠実に従うように
私も貴方の元から消えなければなりません。
此れもまた、決まりきった事。
貴方がこよなく愛した煙草の香りが
私の鼻を擽るのですね。
貴方には煙草が。
私の腕には其の傷が。
化学物質で紛らわせていた
この現実に向き合うなんて
そんな事が出来たら。。。
こんな事になっても私は貴方を忘れられないでしょう。
もしかしたら、忘れてはならないのかもしれまん。
私の犯した数々の罪。
其れを償い切れた時には
再び貴方の元を尋ねましょう。
そして、誰にも見えない小さな光となって
貴方の元に参ります。
季節外れに貴方の好きな雪が降ったら
其れは私の仕業です。
街中で君の愛したあの曲が流れてきたら
其れも私の仕業。
せめてもの償いと私は自分を騙す。
此れくらいの事私は信じて疑わなくても良いですよね?
雲の切れ間から光が差し込んでくる。
約束通り私は貴方の元を去ります。
そう、永遠に。
雲は晴れた。