平然。

暗い裏路地の隅っこ。
夕闇も此処には手を出さない。
何時から此処には太陽が顔を出していないのだろう。
きっと僕が笑えなくなった時からかもしれない。
真っ暗な其処は何にも無い。
親友も恋人も法律も存在しない。
此の侭闇に溶けて逝けたら良いのに。
そう願うも僕は闇に取り込まれて逝くばかりで
一向に溶ける気配を感じさせない。
何でよ?
僕独りが消えてしまった所で
誰も困らないでしょ?
誰も泣いてはくれない。
僕が居なくなって亡くなった其の世界は
今日も平然を装って嘘で塗り固められていく。
何時だって都合の良い嘘でね。
誰一人も其れに向き合おうなんてしない。