苛立ち。

時が経ち、薄れて行く傷に僕は戸惑いを覚える。
ずっと引きずって逝ければ良かったのに。
半年前に手にした音楽を同じ場所で聞いてみる。
音楽は、記録よりも記憶により鮮明に残って。
同じような類似した気候の中に
僕を、少しだけあの頃に戻してくれた。
其れが嬉しくて
其れでも、直ぐに戻る此の感情に
僕は軽い苛立ちを覚えた。