溺れる。

僕は幸せを望む癖して幸せになることを嫌う。
そんな自分に嫌悪感すら覚える。
兎に角、嫌いなのだ。
自分に幸せは不釣合いだから?
いいや、違う。
僕はそんな謙虚な人間ではない。
強いて言うなら
自己犠牲精神による美学だろうか。
自分は報われない
可哀想な人間だ
そう、思える場所・時間・環境。
其れが大好きなのだ。
そうすれば、此の世に生きることについて
僕は幾らか軽減される。
周りの環境の所為にし、嗚呼可哀想だ。
そうレッテルを貼られることで生きられる。
同情されることで生きられる。
更に生きる喜びすら覚えることが出来る。
嗚呼、貴方は可哀想な人なのね。
そう、周りから言われる事で僕は嬉しさに溺れる。