若し。

若し、此処に僕と同じ想い出と同じ記憶を持って
背格好も髪型も癖も発音も好きな物も全て同じ人間がいたとして
「其の人は、僕じゃないよ」
なんて言っても誰も理解してはくれないだろう。
僕だけの存在。
僕という人間が此処に存在することすら僕は証明できない。
世間が、世の中が其の人間は浅羽 祐介。という人間です。
そう断定してしまえば其れは「僕」という存在でなくても構わなくなる。
僕は、其処迄必要な人間ではない。
僕の代わりがいれば別に僕は要らないんだ。