寄生。

僕の意識は僕の体に寄生して、命を貪る。
貪欲に貪る。
決して、其の命が尽きる迄放そうとはしない。
そして、散々利用した挙句使えなくなったら破棄する。
嗚呼、残酷な事だ。
僕の意識は僕の体を気遣わなくてはいけないと云う義理があるのに
其れすら行おうとはしない。
こんなにも酷いことなんてあるのだろうか。
僕には耐えがたい苦痛だ。
だけれど、いつも僕の体は僕の意識に命じられるが侭に
命令を受け入れる。
当然だ、僕の体に意識など存在しないのだからね。
僕の体は意識の居所を提供する代わりに
行動を起こす権限を得る。
    
僕の体は僕の意識を捉えて放さない。
どんなに僕の意識が存在することを拒んでも
僕の体は其れを許そうとはしない。
嗚呼、残酷だ。