駅での出来事。

電車を降りる此の電車因りも目的地へ近くなる路線を走る電車へと
僕の足がセカセカと向かう。
朝の駅はとても遽しく1分を30秒の速さで過ぎて行く。
そんな中僕は1分を25秒の速さで歩く。
人込みの中僕は7人を追い抜き目の前には
一人の人間が歩いていた。
其の人は1分を40秒の速さで歩いていた。
僕は仕方がなくなり次の路線へ向かう連絡通路の路線を2人分
軌道修正をして先へ進んだ。
大学の講義が終わり今朝のあの時と同じ地点に来た。
朝と違い人込みは1分を45秒の速さで進んでいた。
僕は相も変わらず1分を25秒の速さで歩いている。
周りが20秒分だけ僕にはじれったく思えた。
13人程追い抜き僕は1分を40秒の速さで歩いていた人間と再会した
其の人間は相も変わらず僕と15秒の時間差の世界の中に生きていた。
僕は急に1分を25秒の速さで歩く世界に生きている事に疑問を感じた。
其処迄して1分を25秒の速さで歩く世界に生きる理由は何だ。
只、一般の人間が不図自分が此の世に生きている理由を探すのと同じ様に
僕は不図疑問に思った。
電車が発車を告げる。
僕は座席に座りながら先遭遇した人間の事を思い出していた。