殺人。

僕は自ずから進んで死を選ぶ事に躊躇しているが
僕は殺される事を望んでいる。
然し、其れにも条件がある。
誰にも知られずに殺されたい。
只単に通り魔に殺されるのなら
人前でも良いのだが
例えば相手の不快を買うような行為を
僕が行ってしまい
其の腹いせとして殺されるのは御免だ。
出来ればそんなに苦しみたくは無い。
嗚呼、死ぬのか厭だな。
そう実感出来る数秒を残して
僕は現実から身を退きたい。
殺されてしまえば良い。
嗚呼、夜道を歩いていたら殺されないだろうか。
誰か殺してくれないだろうか。
即死でも良い。
痛くなければ良い。
だから、頼むよ。
殺してくれよ。
此の世に何一つとして希望なんて無い。
そんな抑圧されたもの存在しやしない。
夢も無い。
或るとしたら死ぬ事だ。
僕は毎日此の脆くも頑丈な心臓が止まり
此の世から身を退く事を心待ちにしている。
下らない人間関係も
金勘定も
何一つ残さないで死んで仕舞いたい。
然し、昨日話した様に
僕が死ぬ事で自分が自分でなくなる事が怖い
と云う、此の恐怖を取り除いた
理論武装によれば
僕は死んでも報われる事は何一つ無い
死んでも何一つ解決にはならない。
僕の望みは何一つ叶えられる事は無い。
如何仕様も無い。
如何すれば救われるのか。
僕は其の答えを何一つ知りえない。
誰も助けてはくれないのだ。
気晴らしをするしかない。
嗚呼、発狂してしまいそうな此の心持。
僕は如何したらいいのでしょう。
神様。
貴方は究極のサディストです。