不可能。

人間を好まない僕には誰からも好かれる理由も無いし
そんな資格など持ち合わせても居ない。
だけれど、誰かを愛したいと願うし
其の誰かと愛とは何かを確かめ合いたいと願う事も亦事実。
僕にとって、人間を愛する事がどんな事かを知る事が出来ないし
其の事に対して普遍的真理も存在し得ない事だって知っている
だったら、少なくとも自分を・・・
自分の意識が存在する間丈
此れが愛だと自分を騙し続けられる丈の理由を欲する。
だけれど、人間に嫌悪を覚える僕にとって
誰かを愛する事ができない。
現実的にはそうだ。
僕が誰かに愛されたい愛したいと願うのは
常に僕の想像の範囲内で
現実味を帯びていない
僕は自分の抑圧した欠如である
他者に向かい愛を叫んでいるのである。
確かに誰かに恋愛感情を抱く事や
誰かに自分の存在を認めてもらいたいと欲する事に
其の対象には自分の欠如の反映があるかもしれない。
然し、全て僕の欠如を埋めてくれる訳ではない。
自分の欠如に埋まる代理でしかない。
自分の欠如で愛を叫んだ対象が自分の欠如であるならば
僕は永遠に抑圧された想像下で愛を欲するしか出来やしない。
僕は結果的に永久に人を愛する事が出来ないのだ。
僕は妄想の中で望み欲し続ける。
其の欲望の対象が永遠に其処にしか存在し得ない架空の物だと知りながら。
永遠に。
勿論永遠ですら人間の作り出した感覚でしかありえないが。
其れは亦の機会に。