少女。

名前も知らない少女が其処に立っていた。
同情を誘う様にずぶ濡れになり
身に纏っているから服だと
要約理解出来る布を着て
其れは口も聞けなかった
人々は自分に生きる価値があると
一瞬自分を騙す為に彼女に慈悲を与える。
其の真理を搗くと人権だの何だのと言い訳をする。
僕は、只其の酷態を眺めていた
川の向こう岸で
せせら笑っていた。