鎖。

僕を縛り付けている幾つもの鎖
錆び付いて使い物に為らない物もある。
僕と云う意識は此の鎖に拠って
現在の世界に留まっている。
此の鎖を引き千切り何処かへ連れ出してくれる人が居ても
断ち切った鎖は直ぐ様再生を始め更に僕を苦しめるだろう
どんなに望んでも。
其れは現実味を帯びていない僕の妄想だから
其れが現実に現れた時に僕は困惑する。
想像だと自分が理解しているから望む事が出来る。
想像の中で想像に於ける現実味を何等帯びていない
現実を渇望するんだ。
夥しい程の夢・理想・望み。
其れが現実味を帯びている事を望みながら
其れが妄想の域を超えない事を望む。
妄想の域を超えないと信じきっているから望むんだ。
何でなんだろうか。
何で、僕は望むくせに
其れが現実味を帯びる事を拒むのだろう。