解かる。

其れにもう一つ
解かる。がある。
其れは、或る程度の予想。
自分の経験した範囲内若しくは想像出来る範囲内での空想が出来る。
と云う、解かるで或る。
其れは決して解かるでは無く。
僕にいわせれば想像出来る。
解かった気に成る。
という事だ。
会社で取引先が先日大きな商談を失敗して仕舞いまして。
 
といい、社員は
解かります。
さぞ御辛かったでしょう。
といっても、解かる訳はないのだ。
飽く迄其れは想像の域を超えない。

解かるとは或る意味で経験をする事に相等しい。
登山家が山の登り方を解かる。
陶芸家が壷の焼き方を解かる。
芸術家が色の出し方を解かる。
其れは、理論的思考の構築でも理性が導き出したのでもない。
只、夥しい程の経験が理解させるのだ。
感覚でしか理解する事の出来ない物事。
其処に理論構築は要らない。
経験なのだ。
料理で塩を入れるタイミングや野菜の切り方。
其処に理論構築等要るだろうか?
鍋の温度がX度になり火力がXwで水量がXl
此処で塩度X%の塩をXg入れてXm同等の火力で煮立たせる。
そんな理論構築をするだろうか。
其処に存在するのは数々の失敗に経験丈だろう。

抽象的なものと具象的なもの両極端のベクトルだが
其処には解かるという両極端の意味を有する不可思議な物が存在する。