透明。
純粋な黒色等存在しないのだという。
3源色の様に純粋な色は余り存在しないのだという。
中でも黒は一番不順な色なのだという。
さて、色とは物質が持っているものであって
実際には持っていないものである。
ケチャップを眺めて其処に赤い色を見出したとして
ケチャップが赤い色を持っている訳ではない。
色は光が所有しているのだ。
赤い色以外を吸収するからケチャップは赤いのである。
其して、人間が其れを赤と見るから赤いのである。
人間の感知出来ない色が其処に映っているかもしれない。
ケチャップは赤く見えても唐辛子は別の色に見える可能性も或る。
色を感知できない生物にとってテーブルも椅子も人間も
人間が物だと言っている物質は色を持ち合わせていない。
『透明』なのだ。
只、其処に衝撃がある丈なのである。
何だか知らんが前には進めない。
そんな状況なのだ。
果てしなく広がる透明の世界に
辛うじて屈折率の違いで物を判断する事が出来るだろう。
其処には日陰も無いし
太陽も無い
無気味な温度と風に壁が支配する世界が広がっている。