物語が進行すると云う事は時が進行する事では決してない。

生きる事を疎い続け
世の中に絶望し
死ぬ事ばかり考え
世の中の理不尽さに溜息をつく
其んな怠惰な話は存在しない。
僕は、其んな怠惰な人間なので
其の様な話を大変好むのですが
其んな物語は存在しない。
僕のお気に入りの異邦人ですら
其処迄は行き着かない
其んな物語は進行しないからだ。
話が進まない。
仮に其の様な設定の主人公が居ても
主人公は途中で何かに気付く。
其して、人と愛し合ったり
群れたり
嗤い合ったり
語らったりする。
僕の様に怠惰な人間は物語の壇上に上がる事もないのかな。
とか、思ったり思わなかったり。