桜の雨が舞う木漏れ日に包まれ今此の胸に降り積もる切なさよ。

僕が部屋に入ると其処には弟の亡骸が有った。
嗚呼、悲しい。
僕は必死に其う思う事にした。
其して涙を流した。
既に動かなくなった弟の亡骸に対して
悲しいのか。と聞かれれば
僕は屹度、悲しいと応えるだろう。
然し、其の悲しみの奥底に存在する
晴れやかな気持ちと
微かな独占欲の支配に対する
感情があった事を認めなければいけない。
其れが弟の亡骸と対面する迄
時間が掛かった事を意味付けているのか。
数少ない有給を弟の葬式の為に取り
帰省したのが今日。
葬式だので5日は有給を取って来た。
詰り、実質1週間を僕は弟の為に費やさなければならない。
果たして、其れ丈の価値があるのだろうか。