ベルヌーイ管弦楽団のコンマスは方向音痴な上に歌を歌う。

其の手紙の差出人を見て
嗚呼、僕は死刑を宣告されたんだと知った。
其れは、間違いなく死刑執行の紙切れだった。
僕は、君の中の世界で
もう、此れ以上生きる事を許されないんだと。
亦、一つ僕は誰かの世界の中で死んで仕舞った。
此んなにも望み続けていた死が
他人の中で行われる。
僕が僕であると言う事実を残した儘。
僕は亦殺されて仕舞った。
僕が僕である妄想を残した儘。
僕が望み続けた死を
僕が僕である以外の僕が死んで仕舞う。
僕は何時になったら
僕を殺す事が出来るのだろうか。
僕は何時になったら
僕が僕であると言う悪夢から脱する事が出来るのだろうか。