丸で何も無かったかの様な始まりも終わりも無い結末。

限られた膨大な刹那の中
僕の記憶に残る幽かな匂いと眠たげな眉毛が
僕を夢の中へと誘って呉れるのかも知れない
瞬く間に僕は記憶を引き出して
現実に引き戻される
其れが記憶であると錯覚する想い出の様に
積極性を持つ其の記憶の中の幽かな衝動に
何故か、趣味の悪い外車の車の中で
泣きじゃくっている姿を見た
自分の犯した過ちなのか
其れが判断を誤った結果なのか
然し、其の結果が齎す結末を
僕は朧気ながら理解をしていたし
実感として客観視していた事を此処に告白しようと思う
トリックを見破るのが容易い三文小説の様な自分の世界観に
朝日が昇る事で唖然として
現実が存在しない事を理解する
半ば、自分が未來の決定権を握った事が
どれ程に哀しいのだろうか
一度途切れた糸を手繰り寄せる事は
最早不可能と表記する事が
此れ程迄に適切だとは思わないのだが
其れが当然の帰結なのだから
仕様がないのだろう
青い車に乗って
僕は何処へ行こうと画策していたのだろうか
未來へ行ける筈もないのに
意味の解らない自信過剰は
絶対的な未來を信じて作り続けて行くからなのだろうか
決定権を握る権力の掌握は
僕には決して似合わないのだと思う