此の世には哀しいものしか存在しないんじゃないかと思う。

其れは閉店を告げる音楽の様に鮮明で
未來を予告するのには有り触れたモノだった
サーチライトで照らし出す行く末を案じるのは何故だろうか
自分の決断と価値観を揺るがすのだからなのかも知れない
時が経つ事で奪い去る世界観
其処に当時の輝きを微塵も見つけ出す事は不可能に等しく為って仕舞う
全てを無力化して仕舞って
残酷にも優しい時間
自ずから進んでいる訳でも
自ずから望んでいる訳でも
何でもないのに
後戻りが出来なくなって仕舞う
自分が動かなくても
相手が動けば
相対的に自分が動いた事とされて仕舞う
絶対空間が存在しないのだから
僕は哀しくなる