喪った記憶や想い出すら
自分を象る一片であったとするのなら
自分と云う存在を形成しているものは
可変的なものであって
其の中に不可変なものが存在するとは
到底 思い込む事が出来ずに
自分の不安定さに唖然とする
其の不安定さの何に唖然とするかと云えば
自分が確固たる自分ではないと云う点に於いて
自分が自分で無いのに
自分は自分を演じ続けると云う
滑稽さの中に埋もれた自分自身に他ならない