一番幸福な死とは
自分が正しいと思い込んだ儘 死ぬ事である
其うして幸福とは一つの正しさである
自分の存在が肯定されていると云う思い込みの正しさ
幸福だと自分を巧く騙せる渦中に死を迎える事が
此の世で最も幸福な死である
  
自分にも幸福を実感出来る期間が確かに存在した
自分を相手に投影して
巧く自分を騙す事に成功していた時期が
一時存在した
其んな時こそ
自分は何時も以上に死を望む
其れが自分にとって何ものにも変え難い幸福であると
自分は信じ切っていたから