手紙。

前略。
 貴方が今日、其の手を隠しても代わりに瞳が何かを捕らえ
独りでまた研ぎ澄まされて新しい力を携えるでしょう。
確信を持つのは当然の事、何故なら
あー貴方はもう群青さに甘えずに戻らない路を選ぶと云っている。
私はもう溜め息は漏らさない。美しい貴方の決断がため。
 大人になった私達には何時でも答えが居るんだね。「恐ろしい。」と、
戸惑っている間にも命は、燃えてしまう。
 祈っているよ。貴方の色がどんなに酷く澱んだって変わらないさ。
伝えたこと、遥か遠くで方位を失っても、どうか憶えていて。
 私はずっと唄っている。
 昔はもっと、季節の過ぎ行く速度が遅く思えていたのに。
近頃、何だか速くなるみたい。
為すべき事が山積みになる。
 大人になった私達には今直ぐ答えが欲しいよね。
途中で戸惑って迷っている間にも、生命が芽生える。
 願っているよ。
貴方の夢は、どんなに濁る世界だって壊せないさ。
望んだ侭、突き進んで居て方位を誤ったら、そっと思い出して。
   
追伸
 背負っても潰されないのは、今日も貴方が生きていると信じて
疑わずに居るからなんだよ。(ほんの些細な理由)
どうかお元気で・・・。