貼って落として。

病室をカーテンで区切った僕の空間。
午後9時から翌朝の6時迄は僕だけの空間になる。
僕は、其処に寝そべりながら思う。
此処から見える天井に隙間無く
『殺してくれ』
『死にたい』
『無意味』
此れ等の類の言葉を貼り付ける。
次に、其れを一つずつ落としていく。
僕の手元へ。
僕の心臓へ。
僕の脳髄へ。
全て剥がし終えたら今度は亦
『殺してくれ』
『死にたい』
『無意味』
此れ等の類の言葉を貼り付ける。
そして、剥がす。
此の動作を只管繰り返す。
気が付くと空は光を帯びだしていた。