願い。

着々と進む。
僕が死刑執行される迄の時間。
13階段を上がれば直ぐだ。
僕の存在は抹殺される。
其して、人々はそんな事に眼も呉れないだろう。
直ぐに忘れるだろう。
僕は、僕を客観的に捉えられれば良いと願う。
こんなにも生きると云う事に命を掛けたがらない。
生きると云う事に命を掛ける代わりに
僕は自分と云う存在を。
そう、意識ではなく
此の、醜い肉の塊を僕の精神は客観的に見たい。
そうすれば
此の世には存在しない唯一の幸せを手に入れるだろうか。
死刑が執行される事も
人生に意味を失う事も
どんなに辛い事があったとしても。
僕は関係の無い。
あーあ。やってしまったね。
そう、客観的に見れる。
僕の肉体で感じる神経の全ては僕に届かない。
痛みも苦しみも悲しみも
喜びも全て。
嗚呼、素晴らしい。
そうすれば僕は楽しく生きていけるのに。
僕の精神は岐度其の時丈
歓喜と云うものを精神から
詰まり、心の其処から得る事が出来るのだろう。
其れが僕の望みです。
そうすれば、僕は自ら死を望む事もなくなるかもしれません。
僕と云う人間。
此の醜い肉の塊を客観的の捉える事が出来るのですから。
其れすらも叶いませんか。
岐度、其れが死ぬという事なのでしょうね。