大通り。

其の言葉を一体何回呟いただろう。
傷付けばそう呟いた。
自分を保護する為。
此れ以上疵付かない為。
疼く疵を握り締める。
高が4文字で僕は現実を憂い厭う。
そんな状況へ追い遣られるのだろう。
雲が流れる交差点に人々は希望を持ち寄って集まる。
其の希望が凄く安っぽく見え
何も持っていない方が余程マシだという僕の方が
余程卑しい人間である事に直ぐに気が付いた。
誰にも量り知ることは無い
量り知る権利権限を有しない。
何処にも行けはしない。
只、其処にいる丈。
存在?
端からそんなことはしていなかっただろう。
気の所為だよ。
誰にも解かる訳がない。
其れは量り知る権利を有しない事に相等しい。
其れを売って金に替える商売が横行し
其れで泪を流す善人が蔓延り
其れに付いていけない
自分がマトモだと信じている自分が
世の中から見れば余程狂っている事を知っていた。
如何にもなる事は出来ない。
僕は圧倒的マイノリティーなのだから
煙草に火を付けて大通りを横切る
大通りは何時もそうだった。