感情を有しないホムンクルスとの会話の成立性について。at tex no2

名詞を名詞として所有するホムンクルスには一つ大きな障害を有する。
其れは、時間に関する観念である。
例えば、『今』を理解する事は出来るのだろか。
『今』と言う概念を理解しない場合。
今何をしていた?
と言う質問に対して
『貴方と会話をしている』
と言う返答が得られるだろう。
確かに、今という物が指し示すのは
今と言う一瞬なのだが
此処で問題視されているのは『今』を含める
極、短時間の時間軸内に存在する事柄である。
例えば、今何をしていた?
と言う質問に対して
今、御飯を食べていました。
と言う旨の返答をする場合。
相手が望んでいるものは
今、御飯を食べているという返答であって。
味噌汁を飲みましたや魚に箸を入れましたなどの返答ではない。
此の時間間隔を理解する事が出来るのか。
此れは後に続くのだが其処に「今、御飯を食べていました」と言う
返答を寄越すに至る所以は、相手への配慮がある。
例え、其の『今』に対する時間軸は感情とは別の分類に入るので
理解できたとして。
其処に感情が存在しないのに配慮を施した返答が出来るだろうか。
其れは、望めるのだろうか。
            
此れ丈の場合。
ホムンクルスが一方的に会話の受身である場合は
或る程度の無機質的な会話であれば成立するだろう。
然し、其れが会話と呼べるものではないかも知れない。
何故なら、会話を定義する場合
相手の話題に対する受け答えは其うだが。
自分からの話題提供も入るからである。
然し、先の証明において会話の第一条件である
受けは出来る訳である。