ライナック発進のリニアコライダーはヒーロー気取りで登場する。

君が持っているのは玩具の剣だ。
独りで振り翳して
独りで英雄気取りだ。
君は君の世界で王様で
此の世界では差し詰め裸の王様。
何の権力も
何の意味も持たない。
其の剣は何の殺傷力も持たなければ
何の脅しにもならないし
何の影響力も持たない
言葉とは剣だ。
本当に言葉を使おうとすれば
相手に致命傷を負わせる事もあるし
相手を殺す事もある。
其れは正真正銘の剣だ。
当に我々が持つ
単純にして複雑
最低にして最高の凶器だ。
私は差し詰め浪人だ。
裸の王様の君には到底適わないだろう。
然し。
君も私には適わない。
私は数々の人を殺してきた。
言葉と言う武器で。
其れでも。
其れでも私は止める事がないだろう。
此の脳細胞が活動を続け
此の声帯が振動を可能とする間は。
私は沢山の物を失って来たし
沢山の物を得て来た。
其の両者を秤にかける心算等毛頭無いが
私は別に何を失っても
何を得ても如何でも良かった。
唯、私は真理を得たかったし
真理を得た。<孤高の夕日>