飽和を更に超えると溶媒は奪われ蝕まれる。

太陽が僕と君とを描き出した絵画を手にとって
懐かしさを押し殺す
懐かしさと共に溢れ出す哀しさは
過去を否定したくは無いからだ
あの時に僕が愛したものは全てあの時に忘れて行って
時に奪われて仕舞ったと表現でもして見ようか
蝉が例年に無く五月蝿かった事は記憶している
でも隣で微笑んだ君の顔を想い出す事が出来ないのは
何故なのだろうか
あの時に君が本当に伝えたかった事は
一体何なのだろう
あの時に僕が本当に伝えたかった事は
一体何なのだろう
ずっと考えを廻らせても
空を画く丈で
君には届かない
炭酸の抜けた間抜けな砂糖水の様な思考回路