想い出。

永遠を願って僕の左手に刻んだ其の刻印を外す時が来た。
君との永遠をこんなにも強く願っていたのに。
一時も外す事が無く
少し黒ずんだ指輪はとってもちっぽけに見えた。
僕をこんなにもう大きく動かしていた
そんな指輪を。
ありがとう!
そんな言葉と共に。
何時かきっと僕はもう君と会うことなんて無いだろうね。
だってね。
僕の願いなんて何時も叶えられる事は無かったんだ。
死を望む事も。
君との永遠も。
全て。
ちっぽけな意地が今でも願っているこの
ちっぽけで大きな願いは
ううん。
胸に仕舞っておくよ。
未だ、歩き出すにはチョット時間が要る。
でもね。
何時か僕は言うよ。
君に。
あの時の僕は未だ此処で蹲っているけれども。
あの時の君はもう此処には居ない。
僕よりもずっと先を歩いている。
太陽に照らされて
少し色あせた写真も。
僕にとっては大事な宝物だから。
こんなにも僕は笑えていたんだな。
何で、こんなにも自然なんだろう?
アルバムを開いて見る僕はドレもぎこちなくて
造っていて。
でも、この1枚だけは違うね。
さて。
僕は此処に居すぎたよ。
君と云う想い出の折の中で。
躊躇して、願って。
でも、叶わないこの過去に。
どんなに願ってもきっと君は笑いかけてこう言うだけ。
大丈夫だよ。
強いもん。
僕なんかよりも強くって脆いのは君の方なのにね。
そんな事も確かめられず
僕は雫を落とす。
君の前でどんなに創っても
唄っても
其の笑顔には何一つ適わないなぁ。